仕事もある。家庭もある。生活にも大きな不自由はない。
周囲から見れば、それなりに順調な人生に見えるかもしれません。
それなのに、ふとした瞬間に、
「何かが違う」
「なぜかわからないけれど満たされない」
「このまま同じ毎日を続けていいのだろうか」
と感じることはありませんか。
特に40代・50代になると、これまで一生懸命に仕事や家庭を優先してきた人ほど、こうした漠然としたモヤモヤを抱えることがあります。
「恵まれているのに不満を持つなんて贅沢なのでは」と、自分の気持ちを否定する必要はありません。
この記事では、仕事も家庭もあるのになぜか満たされないと感じたときに、自分の気持ちを整理するための考え方をご紹介します。
「不幸ではない。でも幸せとも言い切れない」
大きな悩みがあるなら、原因は比較的わかりやすいものです。
仕事がつらい。
夫婦関係がうまくいかない。
お金に困っている。
人間関係で悩んでいる。
しかし、「何かが違う」という感覚には、はっきりとした原因がないことがあります。
仕事もそれなりにこなしている。
家族とも大きな問題はない。
生活も安定している。
それでも心のどこかで、
「これが自分の望んでいた人生だったのかな」
と思ってしまう。
この「理由がわからない」という状態こそ、苦しく感じる原因の一つかもしれません。
40代・50代になると「自分の人生」を考えやすくなる
20代・30代は、目の前のことに追われて過ごしてきた人も多いでしょう。
仕事を覚える。
収入を増やす。
結婚する。
子どもを育てる。
住宅ローンを払う。
毎日やらなければならないことがあり、自分の人生についてゆっくり考える余裕がなかった人もいるはずです。
ところが40代・50代になると、少しずつ状況が変わってきます。
仕事にも慣れ、子育てが一段落するなどして、ふと立ち止まる瞬間が訪れます。
そのとき、
「これまで家族や仕事のために頑張ってきたけれど、自分は何をしたかったのだろう?」
という疑問が出てくることがあります。
今までの人生を否定したいわけではありません。
これから先の人生について考え始めたからこそ生まれる疑問ともいえるでしょう。
「周囲が望む人生」を優先してこなかったか
これまでの人生を振り返ったとき、自分の選択がどのくらい「自分自身の希望」だったか考えてみましょう。
安定した会社に入った。
結婚した。
家を買った。
昇進を目指した。
子どものために頑張った。
もちろん、どれも大切な選択です。
しかし、その中に、
「親が安心するから」
「世間ではそれが普通だから」
「家族のためだから」
「周囲から評価されるから」
という理由が多かった場合、自分自身の希望が後回しになっていた可能性もあります。
それが悪いわけではありません。
ただ、長い間「自分はどうしたい?」と考える機会が少なかったのであれば、40代・50代になって突然答えを求めても、すぐにはわからなくて当然でしょう。
満たされないからといって、すべてを捨てる必要はない
「何かが違う」と感じると、
「仕事を辞めた方がいいのかな」
「離婚した方がいいのかな」
「引っ越したら人生が変わるかな」
と、大きな変化を考えることがあります。
しかし、モヤモヤを感じているからといって、今の生活すべてが間違っているとは限りません。
まず考えたいのは、
「自分は何に満たされていないのだろう?」
ということです。
仕事そのものなのか。
自由な時間なのか。
人とのつながりなのか。
刺激なのか。
達成感なのか。
自分らしさなのか。
漠然とした「人生への不満」を、小さな要素に分けて考えてみましょう。
すべてを変えなくても、一部分を変えるだけで気持ちが変わることもあります。
「足りないもの」ではなく「欲しかったもの」を考える
満たされないとき、人は「自分には何が足りないのだろう」と考えがちです。
しかし、少し視点を変えて、
「本当は何が欲しかったのだろう?」
と考えてみるのも一つの方法です。
もっと自由な時間が欲しかった。
誰かに認めてほしかった。
仕事以外に夢中になれるものが欲しかった。
一人になれる時間が欲しかった。
新しいことに挑戦したかった。
もっと家族と話したかった。
誰かに自分の気持ちを聞いてほしかった。
こうして言葉にしてみると、「何かが違う」の正体が少しずつ見えてくることがあります。
「もし誰にも評価されなくてもやりたいこと」を考えてみる
自分の気持ちがわからなくなっている人は、一つ質問してみてください。
「誰にも褒められなくても、やってみたいことはある?」
たとえば、
一人旅をしてみたい。
昔好きだった趣味を再開したい。
小さな畑をやってみたい。
新しい勉強をしたい。
副業を始めてみたい。
一人でゆっくり過ごしたい。
有名になる必要も、収入につながる必要もありません。
人に評価されなくても「やってみたい」と思えることの中には、自分が本当に求めているものが隠れていることがあります。
「これから10年」をどう過ごしたいか考えてみる
40代・50代で人生に違和感を感じたら、「残りの人生」という大きな単位ではなく、まずこれから10年を考えてみましょう。
今と同じ毎日を10年間続けた自分。
少しだけ生活を変えた自分。
以前から興味があったことを始めた自分。
それぞれを想像してみてください。
どの未来なら、
「悪くないな」
と思えるでしょうか。
未来を正確に予測する必要はありません。
大切なのは、想像したときに自分の気持ちがどう動くかです。
「このままでは嫌だ」と感じるなら、それも一つの答えです。
小さな「自分のための時間」を取り戻してみる
人生を変えようとすると、大きな行動が必要に思えてしまいます。
しかし、まずは週に1時間でも構いません。
自分だけの時間を作ってみましょう。
行ってみたかったカフェに行く。
一人で映画を見る。
昔好きだった音楽を聴く。
散歩をする。
本を読む。
気になる場所へ出かける。
誰かのためではなく、
「自分がやりたいからやる」
という時間を少しずつ増やしてみます。
長い間忘れていた自分の感覚が、少しずつ戻ってくるかもしれません。
自分の気持ちがわからないときは、誰かに話してみる
「何かが違う」という悩みは、意外と人に相談しにくいものです。
「仕事もあるんだからいいじゃない」
「家族もいるんだから幸せでしょう」
と言われると、それ以上話せなくなってしまうこともあります。
しかし、自分が感じている違和感には、自分にしかわからない理由があります。
一人で考えても答えが出ないときは、信頼できる人や利害関係のない第三者に話してみるのも一つの方法です。
「何に悩んでいるのか自分でもわからない」
という状態から話し始めても構いません。
言葉にしていくうちに、
「本当は仕事を辞めたいわけではなかった」
「もっと自分の時間が欲しかった」
「これから先が見えないことが怖かった」
など、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。
誰かに正解を決めてもらうのではなく、自分自身の本音を整理するために相談するという考え方もあります。
「何かが違う」は、人生を見直すきっかけかもしれない
仕事も家庭もあるのに満たされない。
そんな自分を見て、
「わがままなのでは」
「もっと感謝しなければ」
と思う必要はありません。
今ある幸せを大切にすることと、自分自身の気持ちを大切にすることは両立できます。
「何かが違う」という感覚は、
「今までの人生が間違っていた」
という意味ではなく、
「これからは自分のことも考えてみたい」
という気持ちなのかもしれません。
40代・50代から人生をすべてやり直す必要はありません。
今あるものを大切にしながら、これからの生き方を少しずつ自分に合ったものへ変えていくこともできます。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
「私は本当はどうしたい?」
「これから何を大切にしたい?」
と、ときどき自分自身に問いかけてみてください。
その小さな問いかけが、「何かが違う」というモヤモヤの先にある、自分らしいこれからを見つけるきっかけになるかもしれません。
